もしも人生が映画なら

もしも人生が映画なら

 

私は脚本にケチをつけるだろう

「なんてつまらない映画なのだ」と

 

 

まず主人公に華がない。

もっとビジュアルを良くするべきだ。

 

そして主人公がわかりにくい。

何を表現したいのかわからない。

何を志しているのか、何に魂を燃やしているのか

どんな生き様なのか、何も感情移入できない。

 

好きにもなれない、

面倒で、まどろっこしくて 

どちらかと言えば『嫌い』なキャラクターだ。

 

 

こんな味気ないキャラクターを中央に配置しているのだ

劇的なストーリーが展開していく訳がない。

ストーリーの起伏もなければ

ピンチに助けるヒーローも現れない。

 

 

監督は誰だ。

脚本は誰だ。

主人公は誰だ。

 

 

誰に言えば

誰が変わればこの映画は面白くなるのだ。

 

もしも人生が映画なら、

私の愚痴は最後まで止まらない。

愚痴をこぼしている間は 映画がつまらないのだから

 

 

 

 

 

 

 

 

もしも私が星ならば

もしも私が星ならば

 

誰の為に輝くのだろう

何を思い

幾億の時を過ごすのだろう

 

 

暗くても幻想的な宇宙の中で

遠くの星を夢見て輝くのだろう

 

光もない

遠く遠くの星へ向かって

自分を見つけてくれることを願って輝くのだろう

 

多くの星が

多くの命が見上げてくれるのを

 

きっと自分を認めてくれると信じて

ただひたすらに輝くのだろう

 

 

見つけてもらえるのは今じゃない

気づいて貰えるのは今じゃない

 

遠く遠くの未来でもいい

微かな光でいいから届いて欲しいと輝くだろう

 

 

夜空を見上げて

遠くの希望を見つめてる

 

 

 

もしもひとりなら

もしもひとりなら

もしも自分がひとりなら、どう感じるのだろうか

 

初めからひとりであれば

案外、清々しいのかもしれない

自由そのものを感じ

世界が明るく広く見えるだろう

 

 

誰かを知ってしまってからは

世界は表情を変えるだろう

 

誰かがいて初めて孤独を感じるのだ

 

今の時代は全ての人が

孤独を知って生きるだろう

 

きっと孤独からは逃げられない

 

もしもひとりなら

どんなに世界は明るかったのだろう

 

 

ただきっと

 

すごくつまらないだろう

 

もしも年齢を設定できたなら

もしも年齢を設定できたなら

 

何歳に設定するのだろう

 

一番無邪気にわくわくしていた幼少期だろうか

若かりし青春時代もありだろうか

 

色々検討するだろう

 

 

どの年代だとしても

叶えたい希望がある

 

『気持ち』をその時代のままにしてもらうことだ

記憶はあってもいい

 

すべての感じ方、感動の仕方、感覚を

当時のままに感じてみたいのだ。

 

 

 

こう考えると

ただ、今の自分は

飽きっぽさに

飽きているのかも知れない

 

子供の様に目を輝かせて

毎日を見つめなおしたい

もしも空をとべるなら

もしも空をとべるなら

 

自分の力で空高く舞い上がりたい

目標があるわけではない

ただ、あの空へ向かって飛んでいきたい

 

 

何もない空をまっすぐに見つめて

風を受けながら高く高く羽ばたきたい

 

浮かぶよりも、私は羽ばたきたい

 

 

何もない見晴らしの良い高さまで来たら

雲を横目に、横になりたい

 

 

そしてゆっくりと

誰にも邪魔をされない空を満喫したい

 

 

そう。きっと『空』でなくてもいいのだ

とばなくてもいい。

 

 

誰もいない未知の場所で

心地よく上も下も分からなくなりたいんだ。

もしもやり直しがきくのなら

もしもやり直しがきくのなら

普通は、

何をやり直したいと思うのだろう

 

あの頃に戻れたら

あの失敗をないことにできたらなら

 

あの行動を取り消せたら

違う選択肢をとれたなら

 

色々考えるだろう

だけど

何もやり直さなくて良いのだ。

 

 

はじめからやり直しがきく人生なら

きっと悩んだりもしない

なんなら全通りの選択肢を試すだろう

 

人生として成功したとしても

面白味も人間味も感じえない

ただ結果だけが残るのだろう

 

1人間として人生を謳歌するなら

やり直しはなくていい

失敗してもただ悩んで進めばいいのだから

 

 

もしも未来がわかるなら

もしも未来がわかるなら

それはきっと、世界が光を失うのと同義だろう

 

未来を知りたいと思う

未来について考えるとワクワクする

 

しかしそれは未来がわからない者たちの感想だ

 

 

未来がわかってしまうなら

感情はなくなるだろう。

 

だって何もかも知っているから

 

不安もないが、期待もない

喜びも悲しみも、どんな感情も決まったもの

生きてさえ、いないかもしれない

 

 

未来がわからないから

世界は輝くのだろう

 

だからもし未来がわかっても

見える未来は暗闇だ